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新製品の初回生産は大変です。

トラブル、不具合、修正、リワークなどで納期に影響が出てしまう場合も珍しくありません。

だからといって、罪のない作業員に徹夜の作業をさせるのは危険です。

ある新製品の初回生産のとき、設計に問題があり組立作業が非常に困難なことがありました。

組立てても不良ばかりで、何度もやり直し。

このままでは納期に影響が出るということで、無理やり徹夜作業で朝までやらせました。

泣きながら手を動かす作業員も出てくる状態で、現場は地獄絵図。

それでも終わらず、一旦小休止を入れることに。

休憩後に工場に戻る途中、大きな荷物を持った作業員たちとすれ違いました。

生産ラインに到着すると、作業員がだれもいません。

工場長に聞くと「みんな嫌になって辞めちゃった」とのこと。

結局、納期遅延どころか生産停止になってしまいました。

どんなに納期が迫っていても、作業員がいなくてはどうしようもありません。

決して無理な要求はしないようにしましょう。

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製品を中国から出国するときには通関検査が必要です。

書類確認だけで終わる場合が多いですが、抜き打ちで貨物の検査が行われる場合があります。

抜き打ち検査作業は非常に雑で、検査後は貨物がぐちゃぐちゃになる場合もあります。

そのため、場合によっては通関まで行って、もう一度綺麗にローディングしなければならない場合もあります。

そんな面倒な通関検査を終えたある製品が日本に到着しました。

しかし、到着後のカートンひとつだけ製品が入っていないことが判明。

しかも、すぐにわからないように同等の重さの木材が詰められて偽装されていました。

中国工場側にも確認しましたが、工場出荷時にはちゃんと製品が詰められていたことがわかり、どうやら通関検査後に中身が入れ替わったようでした。

これといった証拠もなく、1カートン分の損失は泣き寝入りするしかないという現実でした。

ちなみにiPhoneなどを製造しているフォックスコンは工場内に通関部門があります。

そのため、製品は通関業務を終えた状態での出荷になるため、貨物が国境を渡るときは検査は行われません。

たしかに、これならば通関後に製品が木材に変わってしまうことはありませんね。

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製品が梱包まで完了したら、製品の抜き取り検査が必要です。

実際に製品を抜き取るときは、ロット全体からまんべんなく抜き取ることが大切ですが、一番最後に梱包された端数のカートンは必ず抜き取り検査対象にしましょう。

端数カートンには生産ラインに最後まで溜まっていた修理品が多く入っていますので、不良品が出やすいのです。

抜き取り数量や受け入れOK/NGの判断はAQLにしたがって行うのがいいでしょう。

AQLとはAcceptable Quality Levelの略で、統計学をもとにして作られた抜き取り検査基準の事実上の国際基準です。

ここではAQLの細かい解説は省きますが、電子製品の抜き取り検査であれば、一般的には以下の基準が使われます(メーカーによって変わりますが、以下のの基準よりゆるい場合は要注意です)。

通常検査水準Ⅱ、なみ検査、一回抜取方式を採用

(1,000台のロットであれば抜取数は80台)

Critical(致命欠点)0(80台のうち1台でも見つかればロットNG)

安全規格に違反している場合や、使用者に怪我や障害を与える可能性がある場合などに適用される。

Major(重欠点):1.0(80台のうち3台見つかればロットNG)

製品の機能的な不良がある場合や、使用者から確実にクレームがくると考えられる場合などに適用される。

Minor(軽欠点):4.0(80台のうち8台見つかればロットNG)

外観の不備や汚れなど機能面以外の不良や、使用者からのクレームの可能性が低い不良などに適用される。

ロット不合格になれば何らかの対策が必要になります。

しかし、リワーク作業を行えば新たな不良を作り出す可能性(梱包材の破損や製品の汚れなど)もありますので、本当にリワーク作業を行う必要があるかどうかは改めて判断する必要があります。

リワークを行わずに、交換部材を多めに無償提供してもらうことも、ひとつの対策です。

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