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なぜ、サンプルと量産品が違うのか?

​中国のOEM製造では、サンプルと量産品の動作が違う場合がよくあります。とくに多いのがファームウェア(ソフトウェア)の仕様違いで、出荷直前に説明書の修正が必要になることはめずらしくありません。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

「量産までにファームウェアのアップデートがあった」ということもありますが、多くの原因はもっと残念な理由です。

サンプルは量産品の在庫を使っている、と思っている方は多いかもしれませんが、実際に量産在庫がサンプルに利用されることは少ないです。

量産在庫は組立工場に保管されていますが、サンプルを準備するのは組立工場ではありません。

実は、サンプルを準備するのは、設計請負を行っているソリューション会社なんです。

ソリューション会社は量産用の基板も自社で準備するのですが、量産向けの基板は販売用の貴重な資産なので、基本的にサンプルには使用されません。

彼らは「サンプルにはできるだけ使い道のない不要な基板を使いたい」と考えています。

つまりそれは、ソリューション会社にたくさんあって使い道のない開発段階に使用した古いものか、市場から修理依頼で返ってきた古い基板です。

彼らはこのような使い道のない古い基板を積極的にサンプルに使います

古い基板でも、最新のファームウェアを使っていれば大きな問題はないのですが、サンプル担当者は量産のバージョンなど気にもしないので、古いファームウェアのままサンプルを客に送ってしまうことがとても多いです。

そして、客は間違ったサンプルをもとに説明書を制作し・・・悲劇がうまれるわけです。

このようなトラブルの有効な対策は

1.量産用の基板バージョンとファームウェアのバージョンをそれぞれ事前に確認しておき、サンプルと比較

2.量産の検品で実際のバージョン確認を行なう

です。

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