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量産に至るまでには、様々な検証段階とサンプルが必要になります。中国メーカー側のサンプル評価スケジュールは事前に把握しておく必要があります。

台湾系メーカーであれば、検証プロセスは細かく分かれており、以下のようになっているところが多いです。

1. ES(Engineering Sample) or Prototype いわゆるプロトタイプ。 動作しないただの外観確認サンプルの場合もある。

2. EVT(Engineer verification test) Sample 技術検証段階(仕様どおりに製品が動くかを検証する段階)のサンプル。

3. DVT(Design verification test) Sample 設計検証段階(各所の設計に問題がないかを検証する段階)のサンプル。

4. PVT(Process verification Test) Sample 生産検証段階(製品が大量生産に適した設計になっているかを検証する段階)のサンプル。

5. PP(Pre-Production) 少量量産段階(量産とまったく同じ部品、部材を用いて50-100台程度の少量量産を実際に行い、 大量生産に移行できるかを検証する段階)。通常50台~100台ほど生産され、製品上問題がなければ量産品の一部として出荷される。

6. MP(Mass Production) 大量生産。

しかし、実際の中国メーカーでは上記プロセスがかなり省略される場合が多く、1,2,3をまとめて一回で、4,5をまとめて一回で行うパターンが多いです。

上記のようなサンプルプロセスのスケジュールと、それぞれのサンプル台数、評価内容などを事前にしっかり把握しておきましょう。


ODMは非常に多くの費用を必要とするので、事前の資金調達方法をしっかり検討する必要があります。協力メーカーからの見積書に以下の内容が記載されていることを確認しましょう。

①金型費 筐体の大きさやパーツ数量にもよりますが、日本円で500万~1,000万円ほど必要になる場合もあります。

②認証費用 WiFiのTELECだけでUSD5,000(日本円で約60万円)程度しますし、3G/4Gのような電話機能が搭載されるとUSD50,000(日本円で約600万円)以上かかる場合もあります。PSEは比較的安く、USD3,000(日本円で約35万円)程度で足りるでしょう。その他の認証費用も事前に調査しておきましょう。

②開発費 中国メーカーとODMプロジェクトをスタートする前に必ず必要なのが開発費です。

数十万で足りる場合もあれば、数百万必要な場合もあります。いずれにせよ、中国では一般的にプロジェクトが終了して製品出荷が完了した時点でこの開発費は返金されます(量産費用と相殺される)。つまり、プロジェクトが成功すれば開発費は実質タダということになります。

しかし、プロジェクトが途中で中止した場合は返金されません。中止理由が中国メーカー側にあっても返ってこないとお考えください。

つまり、中国メーカー側は絶対に損をしないような方法でのみ、ODMプロジェクトを引き受けてくれるということです。

③製品単価 プロジェクトスタート前に中国メーカー側から参考価格としての単価がもらえますが、これはあくまで参考価格とお考えください。実際はプロジェクト進行中の仕様変更などで1.2倍、1.3倍になるのが普通です。「プロジェクトスタート前の価格は絶対ではない」ということを覚えておきましょう。

④保証金

量産開始前に保証金が必要になります。一般的には「製品単価の30%×台数」が保証金になりますので、USD20の製品を10,000台生産する場合はUSD60,000(日本円で約700万円)が必要になります。

このように、ODMプロジェクトは非常に大きな資金が必要になりますので、プロジェクトスタート前に資金調達に関して考えておく必要があります。


ODM案件でもっとも重要なのが委託先メーカー探しです。ここでメーカー選定を誤ると、後々プロジェクトが頓挫してしまう可能性がありますので、慎重に行う必要があります。

協力メーカー探し

メーカー探しは、香港の展示会で行うのがいいでしょう。

春と秋に開催される以下の電子製品展示会に足を運ぶのが一番です。

まずは、自らの足で展示会場を歩いて、 類似製品を作っている中国メーカーを探してみましょう。

そして、営業担当と直接話してみて、過去の経験や知識など、いろいろ話しを聞きだしましょう。

一般的に、展示会会場にエンジニアはいないので、技術的な話しは難しいと思いますが、気が合うメーカーが見つかれば、後日、彼らのオフィスに訪問して、実態調査と技術的な詳細打合せを行いましょう。

メーカー訪問&打合せ

実際にメーカー訪問したら、まずは過去のODM経験のヒアリング、類似品サンプルの確認、開発部の有無、評価測定器の種類、工場の品質管理体制などを自分の眼で確認しましょう。

ある程度信頼できそうであれば、エンジニアにも参加してもらい、開発案件の詳細について話し合いましょう。

本当に中国メーカー側が経験豊富で、実力があれば、仕様に関して何らかの修正や追加などの意見が出てきます。

この打合せで、相手側から何の意見も出なければ、製品仕様に関して理解していない可能性があるので注意しましょう(できないのにできると言う中国人特有の回答の可能性アリ)。

ある程度の方向性が見えたら、見積もり依頼をすればOK。

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