出荷数ヶ月後にヒューズが溶断


電子製品の基板には、安全面を考慮して必ずヒューズが実装されています。

部品故障などで製品に大きな電流が流れてしまうと発煙発火につながるため、ヒューズが溶断して電流を止める役割をします。

もちろん、通常使用状態でヒューズは切れてはいけないのですが、以下のような条件が重なると切れてしまうことがあります。

ある製品の出荷数ヶ月後に、返品率が増えてきたため、返却品を確認したところヒューズが切れていることが判明しました。

しかし、ヒューズ以外の部品に異常は見られず、ヒューズを交換すると製品は問題なく動作しました。

分析の結果、ヒューズ切れの原因は「突入電流」ということがわかりました。

突入電流とは、電源オン/オフのときに瞬間的に流れる電流のことです。

この突入電流の大きさは周辺回路の設計や電源オン/オフのタイミングで変わりますが、大きなときは通常電流の10倍以上の電流が流れる場合もあります。

一般的に、一回の突入電流でヒューズが切れることはありませんが、何度も繰り返し流れることで、ヒューズが劣化して、最終的に切れる場合があります。

ヒューズ選定に関する細かい技術内容は省略しますが、実際のヒューズ選定は非常に難しく、設計値に余裕が少ないと切れやすくなり、逆に余裕が大きすぎると必要なときに切れなくなってしまいます。

最適値を算出するためには様々な計算が必要ですが、最終的には実物で何度も検証する必要があります。

上記のトラブル発生時も、実際の突入電流などを測定して、最適と思われるヒューズを選定した後に、何度も実物で検証したあとで、最適なヒューズの値を決定し、ヒューズ交換で対応しました。

ちなみにヒューズにもいろいろな種類があり、日本の大手企業の場合は可能なかぎり自己復帰型のヒューズを使うようにしているメーカーもあります。

自己復帰型というのは、ヒューズが切れても、ある程度の時間が経つと、ヒューズが自動的に再接続されるタイプのものです。

このタイプであれば、ヒューズ切れのトラブルが発生しても、ある程度の時間が経てば、また製品が使えるようになるため、返品率を抑えることが可能になります。

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