製品検品【製品開発プロセス⑧】
製品が梱包まで完了したら、製品の抜き取り検査が必要です。
実際に製品を抜き取るときは、ロット全体からまんべんなく抜き取ることが大切ですが、一番最後に梱包された端数のカートンは必ず抜き取り検査対象にしましょう。
端数カートンには生産ラインに最後まで溜まっていた修理品が多く入っていますので、不良品が出やすいのです。
抜き取り数量や受け入れOK/NGの判断はAQLにしたがって行うのがいいでしょう。
AQLとはAcceptable Quality Levelの略で、統計学をもとにして作られた抜き取り検査基準の事実上の国際基準です。
ここではAQLの細かい解説は省きますが、電子製品の抜き取り検査であれば、一般的には以下の基準が使われます(メーカーによって変わりますが、以下のの基準よりゆるい場合は要注意です)。
通常検査水準Ⅱ、なみ検査、一回抜取方式を採用
(1,000台のロットであれば抜取数は80台)
Critical(致命欠点):0(80台のうち1台でも見つかればロットNG)
安全規格に違反している場合や、使用者に怪我や障害を与える可能性がある場合などに適用される。
Major(重欠点):1.0(80台のうち3台見つかればロットNG)
製品の機能的な不良がある場合や、使用者から確実にクレームがくると考えられる場合などに適用される。
Minor(軽欠点):4.0(80台のうち8台見つかればロットNG)
外観の不備や汚れなど機能面以外の不良や、使用者からのクレームの可能性が低い不良などに適用される。
ロット不合格になれば何らかの対策が必要になります。
しかし、リワーク作業を行えば新たな不良を作り出す可能性(梱包材の破損や製品の汚れなど)もありますので、本当にリワーク作業を行う必要があるかどうかは改めて判断する必要があります。
リワークを行わずに、交換部材を多めに無償提供してもらうことも、ひとつの対策です。