日本が勝てない脅威の開発スパン
- JAINAL SERVICE LIMITED

- 2015年12月22日
- 読了時間: 2分
更新日:6月20日

中国メーカーの驚異的な開発期間の短さは、深セン特有のサプライチェーンと中国人独特のビジネスセンスが関係しています。
日本の企業が1年以上かかるような製品を、彼らは三ヶ月程度で市場投入します。
これは徹底した分業体制を構築している深センだからこそ可能になる開発スパンです。
簡単に説明すると
1. 新しいSoCチップが発表される 2. 基板設計会社(デザインハウス)が一ヶ月程度で基板開発(共用基板)を行う 3. 金型屋が一ヶ月半程度で基板形状に合わせた金型(共用金型)を起こす(2と同時進行) 4. 組立工場が一ヵ月半で部品を調達、組立てる
5. 販売会社が一気に市場投入
このスパンがおよそ三ヶ月。
驚異的な開発スピードです。
しかし、このようなスピード重視の製品開発を行っていれば、しっかりとした製品評価を行っている時間もありません。
結果的に信頼性や品質を軽視した製品がどんどん出来上がっていきます。
しかし、商売人の中国人はそれでも市場に投入します。そして、利益と同時に市場からのフィードバックを受取り、次の生産ロットに向けて改善していく、これが中国流です。
実際に私が経験したことで言うと、とある日本企業が業界内で革新的なデザインの製品を開発して爆発的ヒットを起こしました。
ところが、それを見た中国メーカーがコピー品を作り始めました。数ヶ月すると、コピー品にオリジナリティが加わったモデルが市場に投入。一年もするとほぼ原型を留めないさまざまなラインナップが市場に並ぶ状態に。
一方、その頃、元の日本企業はやっとのことで第二世代のモデルを市場投入する段階という…。
中国メーカーの異常な開発スピードと大胆な市場投入にシェアを奪われてしまった苦い経験でした。



