上司がすべての中国式マネジメント
- JAINAL SERVICE LIMITED

- 2016年1月2日
- 読了時間: 2分
更新日:6月20日

中国メーカーとやりとりするときは、中国独特のトップダウン式マネジメントを理解しておかないと、トラブルになる場合があります。
日本の会社では、同僚同士で協力し合って仕事を進めることは普通です。
しかし、中国の会社では、同僚同士が自主的に協力し合うことはほぼありません(仕事を押し付けあうことはありますが)。
中国人はお互いのメンツを重視するため、他人の仕事には絶対に踏み込みません。同僚が何をしているかを知らなかったり、知ろうともしないのはごく普通です。自主的に他人の仕事を手伝うというのはタブーに近いと言っても過言ではありません。
仕事の指示はすべて上司から来ますし、仮に同僚の仕事のヘルプをする場合も上司の指示がない限りはやらないのが一般的です。また、仕事がないのは自分の責任ではなく上司の責任。ヒマなときに遊んでいても、それは仕事の指示しない上司が悪い、という考えです。 上司は文字通り、管理者なのです。
このような風土なので、当然上司には部下の管理能力が求められます。
部下がサボらないように細かく指示を出して、進捗確認する必要があります。部下同士に任せておいてもプロジェクトはまったく進まないので、上司がプロジェクト全体を把握して、しっかり引っ張っていく必要があります。
つまり、プロジェクトがうまくいくかどうかは各担当者の能力よりも、プロジェクトを管理する上司(マネージャー)の能力に左右されるのです。
中国メーカーはこのような完全トップダウン式マネジメントである、ということを理解しておけば、ある程度のコミュニケーショントラブルを回避することができます。
私が実際に聞いた話ですと、ある日本の会社が中国のメーカーと開発プロジェクトを始めたが、一向に進まず困っていたそうです。営業窓口の担当者に何度も伝えても進捗の悪さは改善しなかったのですが、あるとき、相手側の上司の人に連絡を取ることができてクレームを入れたところ、すぐにプロジェクトが進み出したそうです。
このように、トラブル発生時などに、営業窓口の担当者に何度言っても改善しない場合などは、その営業担当は会社内で権限がないかもしれません(別にマネージャーが存在する可能性がある)。
トラブル発生時は、関係部署の上司に話しをするようにすれば、すぐに解決できる場合が多々あります。



