top of page

なぜ、サンプルと量産品が違うのか?

  • 執筆者の写真: JAINAL SERVICE LIMITED
    JAINAL SERVICE LIMITED
  • 2016年1月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月19日

​中国のOEM製造では、サンプルと量産品の動作が違う場合があります。とくに多いのがファームウェア(ソフトウェア)の仕様違いで、出荷直前に説明書の修正が必要になることはめずらしくありません。

なぜこんなことが起こるのでしょう。

そもそも、サンプルはどこから出てきているのでしょうか?

サンプルは量産品の在庫を使っている、と思っている方は多いかもしれませんが、実際には量産在庫ではないサンプルが利用されることがあるです。

量産を行う組立工場がサンプルを用意すると思うかもしれませんが、実際にサンプルを準備するのは組立工場ではありません。

実は、サンプルを準備するのは、設計請負を行っている別の会社でデザインハウスと呼ばれています。


デザインハウスは電子基板の設計と生産を専門に行う会社のことで、組み立て工場はこのデザインハウスから完成した基板を購入しているのです。


しっかり管理が行き届いたデザインハウスであれば顧客に提供するサンプルもしっかり管理されていますが、現実にはそうではないこともあります。


例えば、できるだけ無駄を出したくないので量産品は注文数ピッタリしか生産しておらず、サンプル用の基板をそもそも保管していないなどよくあります。

そうなると、彼らは本当の量産品とは違うけど、近しい仕様の基板をサンプルとして提供してきたりするのです。

つまりそれは、デザインハウスの社内にある使い道のない開発段階に使用した古いものだったり、市場から修理依頼で返ってきた古い基板の場合もあれば、別製品や別バージョンのなんらかの理由で余った基板だったりするわけです。

古い基板でも、最新のファームウェアを使っていれば大きな問題はないかもしれませんが、サンプル担当者は量産のバージョンを気にもしないで、古いファームウェアのままだったり、量産品と仕様が若干違うサンプルを客に送ってしまうことがあるのです。

そして、客は間違ったサンプルをもとに説明書を制作し・・・悲劇がうまれるわけです。

このようなトラブルの有効な対策は

1.量産用の基板とファームウェアのバージョンをそれぞれ事前に確認しておき、サンプルと比較

2.量産の検品で実際のバージョン確認を行なう

などがあるでしょう。

bottom of page