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​「自社設計」や「自社工場」を売りにしている中国メーカーは多いですが、信じないようにしましょう。

深センの電子業界はサプライチェーンによる分業システムが非常に発達しています。

コンシューマー向け完成品を販売しているメーカーで、本当に自社設計を行っているところはほとんどありません。実際は以下のような分業体制になっています。

①基板の設計&生産

ソリューション会社やデザイン会社と呼ばれる基板設計請負会社。IC販売会社から発展した場合が多く、IC販売する流れでIC周辺の設計も一緒に請負うようになった。よって、設計のみを請負う会社は少なく、一般的には設計と基板生産(ICと周辺部品が乗った状態)がセットになったサービスを提供している。

②筐体生産(共通金型)

金型を使ったプラスチック成型業者。基板の形状に合わせて金型を起こして、プラスチック筐体を生産販売している。また、共通金型とは、ひとつの金型を複数メーカーで共用することで生産数量を増やし、低価格を実現した金型(一般的に電子製品の金型費は数百万から一千万近くかかるので、生産数量が少ない場合には製品単価が上がってしまう)。

③組立工場

上記の①②とその他必要な材料を集めて、組立てだけを行う業者。下記の④販売業者を兼ねた組立工場もあるが、実際の多くは完成品を販売業者に納める形をとっている。

④販売会社

海外展示会などで積極的に完成品を販売している自社ブランドなどを持つ営業集団業者。日本人が中国から完成品を仕入れる場合は、ほとんど、この販売業者から買うことになる。

上記全てを社内に持つ大きな会社もありますが、②③④だけ、③④だけ自社、という中規模会社もあります。しかし、中国語がわからない日本人が出張で監査に来ても、上記のような実情を見極めるのは難しいようです。

海外から客が来たときだけ、協力工場の看板を入れ替えて自社工場のように見せる販売業者もいます。また、監査の当日だけソリューション会社のエンジニアを連れまわして自社のベテランエンジニアだと言ったりすることもあります。中国ではごく普通のことです。

④の販売会社が、実際の設計や製造を外注すること自体は問題ありません。しかし、彼らが外注先をコントロールする能力がないと、後々トラブルが発生する場合があるので要注意です。

中国メーカー選定の際は、販売会社と外注先の関係性や、外注先をうまくコントロールする能力があるかどうかなど、しっかり見極めたいものです。

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​工場ではありませんが、開発部オフィスにある開発設備も重要ポイントなので、ぜひ確認しましょう。とくに、新規開発のODM案件を依頼する場合は、とても大切です。

開発設備を確認することで、エンジニアの技術レベルが予想できます。どのようなエンジニアがいて、どこまで設計評価をしているかがわかります。

開発設備というのは、オシロスコープ、電流電圧計、信号発生器、熱電対、サーモグラフィー、負荷計測器など、様々です。

設計をすべて外注のソリューション会社に任せている場合であれば、開発設備はほとんどないかもしれません。

しかし、仮に外注に設計を任せていても、自社でしっかり評価をしていれば、開発設備はある程度揃っているものです。

パンフレットで「自社設計」「自社開発」とうたっている会社でも、開発設備を見れば本当かウソかがすぐにわかりますので、ぜひ確認しましょう。

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​信頼性試験設備がない工場は、新製品の評価能力が低いと考えられますので、注意が必要です。

信頼性試験設備とは、製品のバラつきや完成度を評価するときに使用する、いじわる試験用の設備です。

低温高温恒温槽、振動試験、落下試験、サビ試験、塗装ひっかき試験、UV経年劣化試験、スイッチ連続試験など、種類は様々です。

信頼性試験を行うタイミングは大きく分けて2つあります。

新製品開発でのサンプル評価段階

この場合は開発部が試験を行うので、設備は工場ではなく、開発部のオフィスに置いてある場合が多い。

量産段階での性能試験確認段階

初めて量産を行う新製品の場合など、工場でこの信頼性試験を行い、性能に問題がないかの最終確認を行います。IQCが担当する場合が多い。

いずれも、新製品開発において重要なポイントになりますので、ぜひ確認してみてください。

また、客にアピールするために信頼性試験設備はあるが、実際ほとんど活用されていない場合もありますので、注意しましょう。

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