今はアリババ(Alibaba)などで簡単に中国サプライヤーを検索できる時代です。
似たようなサプライヤーがたくさん見つかるため、絞り込むのが難しい場合があります。
中国ではパブリックな筐体や基板が簡単に入手できます。
それらをプラモデル感覚でテキトーに組み立てて販売しているサプライヤーが山ほど存在します。
また、オリジナリティがある商品でも、コピーしたりされたりの世界なので、どのサプライヤーがオリジナルなのかもなかなか判断できません。
このような状況なので、日本に居ながらにして優秀な中国サプライヤーを探すのは簡単ではありません。
実際に企業訪問をして工場監査を行うことは必須ですが、その前の段階で、ある程度の選定ができますのでその方法を書いていきます。
1. 色々な商材を扱っているサプライヤーは避ける。
ものづくりには様々なノウハウや経験が必要です。ひとつのシンプルな商品を製造するだけでもノウハウ蓄積に数年は必要です。
売れ筋商材にすぐ手を出したり、無関係に幅広い商材を扱っているサプライヤーはこのようなノウハウを持っていない可能性が非常に高いので避けるのがベターです。
「なんでもできる」は「なにもできない」と同じです。
アリババサイトやオフィシャルサイトで取り扱い商材を確認して、ある程度判断できるかと思います。
取り扱い商品に一貫性があるサプライヤーを選ぶようにしましょう。
やはり、餅は餅屋に依頼するべきです。
つづく


中国製の電子製品を日本で販売するためにはいくつかの認証取得が必要になります。
WiFiやBluetoothなど電波送受信機能がある製品はTELEC(技適)を、コンセントに接続する製品はPSE(電気用品安全法)の取得もしくは届け出が必要になります。
いずれの試験も日本の第三者試験機関で行うことが可能ですが、中国メーカーを通して中国の第三者試験機関に依頼した方が手間も少なく、費用も安くなります。
試験機関にはサンプルを提供するのですが、このサンプルが量産品と違う場合があるので要注意です。
いわゆるゴールデンサンプルです。
中国の試験機関は試験結果に問題があったときに申請メーカーのエンジニアを呼んで、一緒に対策を考えたり技術コンサルティングをすることがあります。
このときにコンデンサや抵抗の定数を変えたり、設計変更を加えたりしながら試験が合格になるようにその場で対策を検討するのが一般的です。
無事に試験が合格したら、設計変更の内容を量産にも適用する必要があります。
しかし、合格証書を入手したことで安心する中国メーカーは設計変更の内容を量産に適用しないことが多々あるのです。
中国での認証取得のこのようなやりとりは日本の企業にわかるはずもなく、対策が非常に困難です。
試験 用のゴールデンサンプルと量産品が同じであることを確認するためには中国メーカーにかなり深くまで入り込んで作業を行うか、費用は高くなりますが日本の試験機関に依頼するしかありません。

「PSE認証は取れるって言っていたのに不合格だった!騙された!」
という声を聞きますが、それは本当に騙されたのでしょうか?
日本向けの電子製品にはPSEなどの認証が必要になる場合があります(とくにコンセント付きの製品)。
PSE認証を取得するためには第三者試験機関で認証試験を行うのが一般的です。
この認証試験の費用は数十万円するので、単価の安い製品の場合はただでさえ負担が大きくなるのに、試験結果が不合格だったとしたら最悪ですね。
不合格結果を恐れて、中国側に「PSE認証試験を受けさせたいが合格しますか?」と聞く人がいますが・・・ムダです。
中国側は必ず「合格する!問題ない(メイウェンティ)!」と答えます。
その返事を信じて見事に不合格・・・「騙された!」となるわけですが、そもそも信じる方が悪いです。
というか「合格しますか?」と聞けば「合格する!」と答えるに決まってます。
中国側はなんとしてでも発注を取りたいわけですから・・・。
あえて聞くのであれば「CE認証をすでに取ってますか?」というように、PSE規格に類似した海外認証の取得実績があるかどうかを確認するようにしましょう。
すでに所得済みであれば、かなり高い確率でPSE認証も取得できるでしょう。