客が帰ればもうやらない
- JAINAL SERVICE LIMITED

- 2016年6月16日
- 読了時間: 2分
更新日:6月20日

中国では目の前にいる客の対応が最優先です。その次に電話、チャット、メールの順番で優先度が下がっていきます。
あなたが中国メーカーに訪問して、現地で手厚い歓迎と熱烈な対応を受けたとしても安心してはいけません。
「これなら安心。後は彼らに任せて、我々は帰ろう」
彼らの前から姿を消した瞬間に、あなたに対する優先度は一気に下がているかもしれません。
日本に帰ってから「返事がない、期日どおりに仕上がらない、現地ではあんなに熱心だったのに!」となることも珍しくありません。
こんな風にあなたがイライラしているとき、彼らは現地で別の客の熱烈対応をしていることでしょう。
私がとあるアルミ製品のプロジェクトの対応をしていたときの話です。
工場の社長にチャットや電話で催促しても、プロジェクトが一向に進まず困っていました。
私はアルミ工場に行って社長にクレームを言うと、その場ですぐに対応してくれました。少し安心して会社に戻ると、また止まって進みません。また工場に行くと進みます。
そして、その社長を観察しているとよく電話がかかってきていて、他の客からも催促されているようでした。どの客に対しても「すぐやるから安心して!」と答えています。そして電話を切って私の方を見て「こういえばしばらく電話はかかってこないから、今日はあなたの対応するよ」と言われ、なるほどそういうことだったのかと理解しました。
中国メーカーにしっかり仕事をしてほしいときは、客側もしっかりアピールしなければなりません。
・可能な限り現地に訪問して任務が完了するまで帰らない
・帰らざるを得ない場合は、あとから電話で催促をする
・チャットで逐一状況を確認して、コミュニケーションをとり続ける
などは必須です。
メールしか出さない客は、中国人にとって「あまり急いでいない優先度の低い客」と認識されてしまいます。
中国では、顧客の立場は高くなく対等である、と考えましょう。
あなたが中国メーカーを選ぶのと同じく、中国メーカーも客を選ぶのです。



