見積もり&予算【製品開発プロセス③】
ODMは非常に多くの費用を必要とするので、事前の資金調達方法をしっかり検討する必要があります。協力メーカーからの見積書に以下の内容が記載されていることを確認しましょう。
①金型費 筐体の大きさやパーツ数量にもよりますが、日本円で500万~1,000万円ほど必要になる場合もあります。
②認証費用 WiFiのTELECだけでUSD5,000(日本円で約60万円)程度しますし、3G/4Gのような電話機能が搭載されるとUSD50,000(日本円で約600万円)以上かかる場合もあります。PSEは比較的安く、USD3,000(日本円で約35万円)程度で足りるでしょう。その他の認証費用も事前に調査しておきましょう。
②開発費 中国メーカーとODMプロジェクトをスタートする前に必ず必要なのが開発費です。
数十万で足りる場合もあれば、数百万必要な場合もあります。いずれにせよ、中国では一般的にプロジェクトが終了して製品出荷が完了した時点でこの開発費は返金されます(量産費用と相殺される)。つまり、プロジェクトが成功すれば開発費は実質タダということになります。
しかし、プロジェクトが途中で中止した場合は返金されません。中止理由が中国メーカー側にあっても返ってこないとお考えください。
つまり、中国メーカー側は絶対に損をしないような方法でのみ、ODMプロジェクトを引き受けてくれるということです。
③製品単価 プロジェクトスタート前に中国メーカー側から参考価格としての単価がもらえますが、これはあくまで参考価格とお考えください。実際はプロジェクト進行中の仕様変更などで1.2倍、1.3倍になるのが普通です。「プロジェクトスタート前の価格は絶対ではない」ということを覚えておきましょう。
④保証金
量産開始前に保証金が必要になります。一般的には「製品単価の30%×台数」が保証金になりますので、USD20の製品を10,000台生産する場合はUSD60,000(日本円で約700万円)が必要になります。
このように、ODMプロジェクトは非常に大きな資金が必要になりますので、プロジェクトスタート前に資金調達に関して考えておく必要があります。