愛社精神ゼロの個人主義組織

中国人は日本人と比較して、組織力がとても弱いです。
この事実を知らないと、なにかとトラブルになるので、ぜひ理解しておいたほうがいいでしょう。
「組織力」というとわかりにくいかもしれませんが、中国人には「会社のため」「同僚のため」という考えがほとんどありません。
「忠誠心がない」「協調性がない」と表現するとわかりやすいかもしれません。
彼らにとって会社で働く目的は、自分のスキルアップのためであり、金を貯めるためであり、いつか独立して社長になるため、なのです。
少しでも条件の良い会社があればすぐに転職しますし、少しでも金儲けのチャンスがあれば飛びつきますし、少しでも可能性があれば自分で会社をおこします。
仕事に関しても、自分の仕事範囲は責任を持ってやりますが、他人の仕事は絶対に手伝いません。そもそも興味もないという感じです。
自分の仕事範囲さえやっていれば、プロジェクト全体が遅れようが、客が困っていようが、完全に知らん顔です。
トラブルが発生しても、自分に関係がないと思えば、なにもしません。
ある問題に対して、ハードウェア担当が「これはソフトウェアの問題だから自分には関係がない」と勝手に思い込めば、問題は分析されずにそのまま放置されます。
そして、ソフトウェア担当が「これはハードウェアの問題だから自分には関係がない」と同じく勝手に思い込めば、やはり問題は分析されずにそのまま放置されます。
優秀なプロジェクトマネージャーがいれば、それぞれの担当者に指示を出して問題解決ができるのですが、マネージャーの能力が低い場合などは、結果的に誰も問題を分析せずに放置するという状況が日常的に発生します。
日本の会社ではありえないようなことですが、中国の会社ではごく普通のことです。
日本からトラブル解析などを中国側に依頼しても、まともな返事がこないときは、だいたいこのような状態になっています。
こうなると、こちらから現場に突入しないとなかなか解決できないものです。