抜取り検査と全数検査【中国検品のポイント③】
検品の方法には大きく分けて「抜取り検査」と「全数検査」の二種類があります。
それぞれの検査手法を解説します。
■抜取り検査
文字通りロット全体から一部を抜き取って検査を行います。
重要ポイントは「ロット全体の不良品バラツキを推測すること」であり、街頭アンケートなどで市場全体の意見を推測する行為に似ています。
当然ながら抜取り数量が少なすぎると統計学的に信頼性がないデータとなったり、一部の偏った場所だけで抜き取ったりするとデータとしての信頼性が落ちたりします。
これらの懸念点を考慮して導き出された手法が「AQL抜取り検査」と呼ばれ半世紀以上も製造現場で利用されています。
AQL抜取り検査の具体的な方法に関してはここでは解説しませんが、中国の製造現場で抜取り検査と言うとAQL抜取り検査を意味すると考えて良いでしょう。
■全数検査
文字通りロット全体のすべての個体を検査します。
手作業による工程や個体バラツキが出やすいポイントなどを重点的に検査する場合などには全数検査を行います。
なんでもかんでも全数検査を行なっていると時間もコストも無限に必要になってしまいますので「どのポイントを全数検査するか」の判断がとても重要になります。
次回は抜取り検査と全数検査のメリットとデメリットを解説します。