「とりあえず設計だけ」が危険なワケ



「量産は未定だけど、とりあえず中国に設計委託したい」

そんな相談を受けることがありますが、リスクが高く危険なのでやめましょう。というより、そもそも無理です。

中国の設計請負い会社(ソリューション会社、デザインハウス)は純粋な設計だけを請け負うことはなく、量産用の基板の生産まで一緒に行うのが一般的です。

なぜなら、彼らの多くは元チップ部品商社であり、チップ販売で利益を上げる仕組みだからです。

チップが乗った基板をたくさん売って利益を出すビジネスモデルなのです。

では、なぜ中国ではこのようなビジネスモデルが一般的になったのでしょうか?

まずひとつめの理由として、チップのことを一番理解しているチップ屋が周辺回路を設計するのが一番早くて確実という非常に合理的な理由があります。

もうひとつの理由は、中国では設計担当者が量産まで責任をもつ仕組みが必要だったということです。

例えば、日本の設計請負い会社は開発費をもらって設計業務だけを請負い、量産にはタッチしないということが多いかと思います。

量産にはタッチしないといっても、トラブルがあれば現場に駆けつけてくれて不具合対応などしっかりやってくれます。

日本では設計担当と量産担当を分けても、お互い助け合うのでプロジェクトが進むのです。

しかし、中国ではそういきません。

設計が終われば設計担当者の仕事は終了です。

量産でトラブルが出ようが、駆けつけてくれませんし、客が困ろうが関係ありません。お金を受け取ったらビジネス終了なのです。

このような中国人の考え方があるので、中国では設計と量産の委託先を分けることには大きなリスクが伴います。

つまり中国では、設計担当者に対して量産の責任を負わせたいというニーズが非常に高いのです。

そのニーズに目をつけたチップ屋が自社でエンジニアを抱え始めて、設計請負いサービスをやるようになりました。

それが中国の設計請負い会社(ソリューション会社、デザインハウス)です。

彼らはチップ屋であり、量産用チップを売ることがメインビジネスなのです。むしろ設計業務は量産を前提とした「おまけのサービス」なので、設計だけの請負はやってくれません。

このように中国には市場のニーズに合致したチップ屋タイプの設計請負会社が一般的になっているため、日本式の量産にタッチしない純粋な設計請負い会社は淘汰されてしまい、ほとんど存在しません。

中国で設計だけ委託したいということが無理だというのはこのような理由です。

仮に設計だけ請け負ってくれる会社が見つかったとしても要注意です。量産トラブルの責任は一切取ってくれませんので、その辺りのリスクをしっかり理解しておきましょう。

#設計 #トラブル #開発 #中国文化

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